Sleeping Beauty







それは砂時計の砂が落ち、ゆきたちの世界へと飛ばされた時の事。

こちらの世界でも怨霊が出現していたので、皆で怨霊と戦い、浄化していたのだが。
力を使って消耗したゆきはふらついていたため、彼女の家で休息を取る事となった。



ゆきが休んでいる間。
オレは特に何もする事がなく。
暇を持て余していた。

「はあ……」

この程度でオレは別に疲れたりなどしないのだが。
女子の体力を考えれば仕方あるまい。
神子であるゆきは、もしかしたら特別な力を使える代わりに普通の者以上に消耗が激しいのかもしれないしな。

いずれにしろ。
神子が活動出来なければ八葉としての役目も休みとなる。

自分たちの世界ならばともかく、こちらの世界はほとんど何もない砂地となっているのだから。
何かをするにも出来る事など限られていた。

さて。
何をして暇を潰そうか。

そんな事を考えながら邸の一室の扉を開けた。
とりあえず部屋で書にでも没頭しようと思ったのだ。

最初は異国のものが混じった世界に嫌悪感を抱き、来る事を拒んだ事もあったこの場所。
オレから見たらここは異世界だが。
それでも日本であるらしい事は聞いていたし、話を聞くにここは言わばオレたちの未来の世界の姿と言えなくもないのだ。
攘夷思想を持つ者としては尚更受け入れ難いものだった。

しかし今では慣れて来た。
少しずつではあるが、否定ばかりではいけないと思い始めてもいた。
だからこの世界について知りたいと思い始め、この世界の歴史の本を借りて読もうとしていたのだ。



けれどオレが扉を開いた一室には先客がいた。

「ん?」

その者は部屋の寝台に寝転がっている。
掛け布団などはまったくかけていない。
本当に身体を休めようと横になっただけのようだったが……
覗き込めば完全に熟睡していた。
オレが近づいても起きる気配がないのだから相当深い眠りに落ちているのだろう。
金糸を柔らかそうな枕にふさりと広げて、規則正しい寝息に身体が小さく上下する。
碧眼を瞼の下へと隠し、完全に夢の中といった感じだ。

「……不用心な奴だな」

オレはその寝台の上で眠りについている人物。
サトウに向かってそっと呟いた。

今は八葉として行動を共にしているとはいえ。
オレは元々攘夷派の人間であり、初対面の時には刃を向けた事もあるのだ。
そんなオレが近づいても目を覚まさないのだから警戒心がなさすぎる。



余程疲れているのだろうか。
まったく体力のないやつだ。



呆れながらもさらに近づき。
オレはサトウの寝ている寝台にそっと腰を下ろした。
オレの身体の重みに寝台が揺れながら軋む。
それでもサトウは目を覚まさない。

“べっど”という寝台は確かに寝心地がよいものだ。
ふかふかで、布団が柔らかく身体を包み込むような。
畳の上に敷かれた布団では味わう事の出来ない沈み込むような感覚。
最初、慣れない内は落ち付かなくてなかなか寝付けなかったが……
オレ自身、今では不思議ととても穏やかに眠る事が出来る。

異国ではこの“べっど”で眠る事が当たり前なのだろう。
サトウも故郷にいた頃はこの“べっど”というもので睡眠を取っていたに違いない。

だからきっと。
余計に。
ここで眠る事が懐かしさを呼び起こし、安心感を与えているのかもしれない。



そう思いつつ。
じっと寝顔を眺める。
普段わざわざ寝顔をじっくりと見る事もないのでそれは珍しい事でもあった。

窓から差し込む光が微かに部屋へと流れ、広がる金糸を照らしていて。
きらきらと綺麗に輝く様子に思わず手が伸びてそれに触れてみた。
サトウ本人が起きている時には絶対触れる事など出来ないであろうその金色の髪に。
オレは今初めて触れる。
ふわりと柔らかく滑らかな感触。
撫でれば心地よくオレの手をさらさらと流れてゆく。

「ん……」

オレの触れる手の感触にサトウが微かに反応して身じろぐ。
どきっとして手を離し、顔を覗き込むが。
起きる気配は依然としてない。
ほっと胸を撫で下ろしながら改めてその寝顔をまじまじと見つめた。

「こうして見ると意外と幼い顔つきじゃないか。図体はでかいくせに……」

ぽろりと感想が漏れる。
静かな部屋の中に小さく響くオレの声。
ただの独り言のつもりだったのだが。

「そうですね。普段は大人びていますが僕たちと歳も近いみたいですし、何だか近くにいて安心出来ます」
「どわぁっ!?お、沖田!?いきなり背後に立つな!びっくりするじゃないか!」

突然現れた沖田の声に驚き、サトウの寝顔を覗き込んでいたオレは立ち上がり一歩退きながら振り返った。
何故か悪い事をしている場面を見られてしまったような心境になり、鼓動が速まる。

「おや?気配を察知出来ないなんてチナミも不用心ですね」
「うっ……」
「気づかない程真剣にサトウさんの寝顔を覗き込んでいたのですか?」
「ち、違う!そんなんじゃないぞ!何を馬鹿な事を……っ!」
「違うんですか?ではここで何をしていたのです?」

抑揚のない沖田の声。
感情が読めず、人形のような奴だ。
最初は何を考えているのかわからず、己の意思が何も感じられない人間で。
心など持っていないのではないかとすら思った。

しかし今。
微かに感じる冷たい空気。
何の感情も含まれていないような声の中に僅かに怒気が感じられて。
オレは沖田の目を恐る恐る見つめる。

無感情に近いその顔で。
上辺だけの笑みを浮かべているのはいつもの事。
だがその目は決して笑ってなどいない。
能面のような沖田の瞳の中を覗いた所で感情などはっきりわかるわけではないだろうが。
その目は冷たく射抜くようにオレへと向けられていた。



一体何なんだ!?



ごくりと唾を飲み込みながらオレは心の中で叫んだ。
感情を表に出す事のない沖田から“怒”という感情がはっきり感じられるのだから。
余程沖田の気に触る何かがあったに違いなかった。

オレは沖田を怒らせるような事を何かしたのだろうか?
まったく心当たりなどないというのに。



どうすればいいんだ!?



オレが心中慌てふためいていても。
沖田の表情は変わらず。
ただただ眉一つ動かさずにじっとこちらを見ていた。
冷たい視線がオレに突き刺さる。
見た目は笑っていても本心ではまったく笑っていないどころか怒っているであろう事が伝わり。
つうっと額から冷汗が流れた。

いつも感情の読めない沖田からこれ程人間らしい感情を感じたのは初めての事かもしれないとさえ思う。

オレはそれ程沖田の気に障る何かをしたという事だろうか?



「オ、オレは……こちらの世界の書を読もうとしていただけだ」

嘘ではないためそう告げてみる。
何に対して怒っているのかわからないのだから決して言い訳をしているわけでもないつもりだ。
持っていた書物を沖田の前に掲げて見せてやった。
沖田がちらりと視線を本へと移し、考え込むと再びオレに視線を戻して来たが。
相変わらず怒気は消えないままだった。

「それならば居間で読めばよいのでは?わざわざサトウさんが休んでいる寝室に入り込む必要などないはずです」
「居間には他の八葉たちがいて煩いからな。静かな場所を探してここへ来たんだ」
「だからといって人の寝ている邪魔をするんですか?」
「別にオレはこいつが寝ているなんて知らずにここへ来たんだ」
「だったらすぐに出て行けばいいのに、チナミはわざわざサトウさんに触れていましたよね?」
「い、いや……確かにそうだが……」
「何故ですか?」
「は?」
「何故触れていたのです?」
「……そ、それは……別に意味はないが……ただ……」
「ただ?」
「………………き、きらきらとしていて綺麗だと思ったから…………つい…………」
「…………そうですか」

沖田はそれきり黙り込み、納得したように頷いた。
しばらく沈黙が流れ。
やがて先程の怒気とは違う闘争心のようなものが溢れ出す気配を感じる。



向けられた鋭い視線は何を意味するのだろうか?
未だ理解出来ずに固まっているオレに。
沖田がやっと口を開いた。
何を告げられるのかと身構えていると。



「チナミはサトウさんの事が好きなんですね」



能面のような沖田の顔が少し悲しげな表情を見せてそう言い放ったのだ。

「は?」

何を言われたのか理解出来ずに。
オレは訝しげに首を傾げて聞き返す。

「何を言っているんだ?」

オレがサトウを好きだとか言わなかったか?
何を馬鹿な事を言っているんだろうかと思う。

そもそもオレは攘夷派の人間で。
最初はサトウの事を殺そうとした事があって。
しかたなく共に行動するようになったがそれでも事ある毎に口論になったりする。
異人だとかもはや関係なくいけ好かない奴だとさえ思う事があったりもするくらいなのだ。
嫌いだという感情があるのは頷けるがその逆などあり得ないはずだ。

だが沖田は言った。
頷きながら。確信したように。



オレがサトウを好きだと。



「あれ?チナミは自覚がないのですか?」

にこりと沖田が笑みを浮かべた。
何だか鼻で笑われたような気分になり少々むっとしたが。

沖田の纏う気配が柔らかくなった事に気づいた。
先程の怒気は薄れ消えて行ったようだ。
もしかしたらまだ怒っているのかもしれないが。
沖田は元々感情の読めないような奴だったからか、殆どわからない。

とりあえずはほっとして息を吐く。
意味もわからず睨まれるのは居心地が悪いものだからな。
そんな風に考えているとまた沖田がにこりと笑って。



「僕は好きですよ」



そうはっきりと告げて来た。

「え?」
「僕はサトウさんが好きです」

もう一度。
オレに向かって宣告するように。
沖田の柔らかい声が部屋に流れてオレの耳に届く。

「もしチナミも同じだというのなら……」
「…………」
「僕たちは恋敵ですね」
「なっ!?」

こいつは一体何を言っているんだ!?
恋敵だと?
オレと沖田が?
しかも想いを寄せている相手が異人の男であるサトウだと?

ふざけるな!

そう言いたかった。
冗談ではない。
感情などなさそうに見える沖田がサトウを好きだという事も驚きだが。
オレがサトウを好きだなんて。

そんな事あるはずがないだろう!



そう。

そんな事があるはず…………



どくんと心臓が大きく鳴り響く。
今まで考えもしなかった事。
沖田に告げられてふと考えてみた瞬間。
何か熱い物が込み上げて来て驚いた。



な、何故こんなにどきどきするのだ!?



自分の中に蠢いている感情が理解出来ず。
焦りが生まれる。
そんなはずがないと否定したいのに。
否定しきれない何かが渦巻いていて。
警笛のように鼓動が高鳴る。

つい己の髪を握り締め必死でその感情を追いやろうと試みたが。
その様子を見ていた沖田が静かにオレとの距離を縮めて来た。

そしてオレの耳元で「僕は負けるつもりはありませんよ」と小さく囁き。
くすりと笑う。

そのままオレの横を通り過ぎ。
先程オレが腰を下ろしていた場所に膝を付きながら寝台の上に乗った。
その沖田の姿をオレは視線で追う。

沖田はすやすやと安らかに寝息を立てて眠るサトウを見下ろしながら。
先程オレが触れたようにその髪を梳き始める。

それを見てオレの中にもやもやとした感情が生まれた。
この感情が嫉妬であるという事を認めたくなどなかったが。
沖田がサトウに触れる事がこれ程不快に感じるとは思いもしなかった。

ああ。
だから沖田はオレの行動に怒っていたのか。
と納得してしまう自分がいて。

それはまるでサトウが好きだという感情を認めてしまったようで。
何だか悔しい。
無意識の内にオレは拳を握り締めていた。



オレはサトウの事が……



自問自答するように思考を巡らせる。
今まで考えた事もなかったその事実。
受け入れ難いものであったがしかし。

眠るサトウの髪を撫でていた沖田が突然。
その身を傾ける。
何事かと思った時には既に遅く。
小さく寝息が洩れるサトウの唇に。
沖田の唇が重ねられた。

瞬間。
オレの心臓が飛び出しそうになってカッと頭に血が上った。

「お、お前っ……な、何を!?」

目を見開き悲鳴のような叫びが飛び出す。
息が止まりそうになり。
思考が真っ白になった。

重ねられた唇が離れるまでの時間がとても長く感じられ。
まるで時が止まったかのようだった。

オレにとっては拷問を受けている時間のように感じられ。
怒りの感情で熱が上昇していたが身体は固まり凍りついていた。

ゆっくりと沖田が離れると。
サトウの唇に触れていたその口が小さく開かれ。

「お姫様を眠りから目覚めさせるには“きす”というものが有効らしいと聞きました」

そんな事をオレに告げて来る。

「き、きす……?」
「はい。口づけの事だそうです。ゆきさんから聞いたおとぎ話の中の眠り姫は王子様の愛の口づけで目を覚ますんです」
「お、お姫様って……サトウがか!?」
「はい。僕にとってはそうです。僕はサトウさんの王子様になれたらいいなと」
「だ、だから口づけをしたと言うのか!?」
「ええ。本当に目覚めてくれたら嬉しいなと思ったもので」

こいつ……
何をぬけぬけと……
大した事などしていないというような平静な態度。
悪びれた様子もなく、いたって平常心。
それがまた気に食わない。

「お前!先程はオレに眠りの邪魔をするなと言っていたではないか!」
「そうですね。でも……何だかしてみたくなったんです。何故なのでしょう?」
「何故なのかだと!?オ、オレに聞くな!」

自分が何をしでかしたのかわかっているのかいないのか。
沖田の態度にこちらが酷く苛々とさせられてしまう。

それが嫉妬なのだと言われてしまえばそれまでなのだが。
まだ認めるのは悔しくて気づかぬふりをした。
これは沖田が本人の同意を得ないまま接吻などかましたから常識的に人として怒っているだけであって。
別にサトウが好きだから不快になったとかそんなんじゃない。
言い聞かせるように再び無意識に己の髪を握り締める。

「接吻とは好きな者同士がするものだ。一方的にしていいものじゃない」

立場が逆転したように。
今度はオレの方が沖田を睨みつけていた。

「沖田、お前は自分が何をしたのかわかっているのか!?」

今にも掴みかかりそうな勢いで問い詰める。
しかし沖田はやはり落ち着いた様子で相変わらずだった。
ただ微かに困ったように眉を下げて。

「……いけない事だったでしょうか?」

と呟いた。
おそらくすっ呆けている訳ではないのだろう。
恋心を知ったのがいつ頃なのかは知らないが。
わりと最近の事なんだろう。
それまでは恋というものなどと無縁でそのような感情が自分にある事さえ知らなかったのだろうと思う。

まだ恋を知ったばかりの沖田。
まるで幼子のように純粋で無垢で。
それが可愛らしいと評価してくれる人間もいるかもしれない。

だが。
沖田は言った。
オレと沖田は恋敵だと。
それはつまりオレに対する挑戦であると理解した上での行動だという事になる。
やる事が突拍子もないが、自分の大切なものを奪われたくないと本能で動いているのだろう。

オレには腹立たしい事この上ない。

「いけないに決まっている!お前はサトウの恋人ではないのだろう?」
「……そうですね。まだ恋人ではないです。……すみません」
「まだって……告白すらしていないんじゃないのか?」
「告白してからなら口づけしてもいいんですね。では今度はきちんと好きだと告げてからにします」
「お、お前……」

何かがずれている。
こいつは普通の人間の常識が通用しないんだ。

放っておいたらこの先何をしでかすかわかったもんじゃない。

「おい、沖田!そこをどけ!」

耐え切れなくなり。
オレは寝台の上に乗っている沖田の腕を引っ張りそこから無理やり下ろした。

不満そうにオレを見つめて来る沖田を無視して。
そのまま寝台に横たわっているサトウの身体の上に覆い被さった。
そして。

「オ、オレだって……す、す、好きだ好きだ好きだ!認めたくないが大好きだ!ちくしょうっ!」

気づいたらそう叫んでいた。
オレは勢いのまま金の髪を一房手に取り。
そこに口づけを軽く落とす。
沖田のような真似は出来ないため唇にする事は叶わないが。
それでもせめてと金糸に唇を寄せたのだった。

「眠った姫を起こすのはオレだ!」

流石に沖田も目を丸くして驚いていたが。
どうやらオレの大きな声に、深い眠りの中にいたサトウも目が覚めたらしく。
閉じられていた翠の瞳が開いてぽかんと見上げて来る視線に。
はっと我に返る。

「……チナミくん?」

まだ眠たそうなとろんとまどろんだ瞳に小さく掠れた声。
サトウは覆い被さるオレを困惑しながら見つめていた。

「サ、サトウ!?」
「……大声を出してどうしたんですか?何が好きなんです?」

目を擦りながら瞬きを繰り返し。
不思議そうにオレを見上げるその仕草が何だか幼い印象を受ける。
オレの心臓は破裂しそうな程激しく強く脈打っていた。

「い、いやその……別に……っ…何でもない!」

まだ起きている本人を目の前にして己の想いを告げる勇気はない。
慌ててオレはサトウの上から飛び退き。
寝台から下りるとそのまま沖田の手を無理矢理掴んで引っ張り、共に部屋を飛び出した。

扉から出る直前。

「起こして悪かった!」

そう謝罪の言葉を口にして。
逃げるようにその場を去る。



強く握り締めて引っ張る沖田の腕。
痛いと文句が飛んでくる事もなく。
ただいつもと変わらぬ調子の声が部屋を飛び出した事に対する批判を述べた。

「チナミ……何故逃げるのですか?せっかく気持ちを伝えられるいい機会だったのに」
「煩い黙れ!そんなに簡単に本人に言えるか!」
「寝ている間なら言えたのに……ですか?」
「うっ……」
「チナミが言えないならそれで構いませんよ。僕はちゃんと伝えるつもりですから」
「な、何だと!?」
「僕はきちんと伝えて今度はサトウさんが起きている時に口づけをしたいです」
「お、お前!またそんな事を!?」

本当に何をしでかすかわかったもんじゃない。
オレは己の気持ちを自覚し、同じ相手に好意を寄せる沖田を危険人物として認識した。
悪気がないからこそ。
余計に性質が悪い。

「いいか?沖田、お前……今度またふざけた事をしたらその時はオレがお前を許さないからな」
「どうしてチナミが怒るのですか?」
「わ、わかっているくせに聞くな!オレもサトウが好きだからに決まってる!」
「先程まで自覚がなかったのに?」
「煩いぞ!お前こそ人形のように無感情のくせにいつの間にか恋なんかしやがって」
「僕も最初はこの感情が何なのかわからなくて戸惑いました。でも土方さんに相談したらわりとすぐに答えが見つけられたので」
「……な、成程な」
「土方さんが恋は積極的に攻めた者勝ちだと言っていました」
「……あんの好色副長め……」



笑みを浮かべ柔らかい空気を纏った沖田は一見無害に見えるが。
感情に乏しい故の大胆さがこれ程恐ろしいものだとは。
頭が痛い。

オレは今後の事を思い。
一人頭を抱えずにはいられなかった。

とにかく沖田が余計な真似をしないよう。
これからは常に見張らなければと。
サトウへの想いを自覚してしまったオレは固く決意したのだった。





Fin.





リクエストはチナミ+総司×アーネスト。
と言う事でチナミくんと総司さんが初めて恋敵として睨み合うお話です。
配信イベントプレイ前に書き始めたのでまさか公式でお姫様とか言われるとは思いませんでした(笑)


実を言うと別のリクエスト用にネタを考えて書き出していたものなんですが……
最初に考えていた内容からどんどんずれていってしまったためチナミくんと総司さんになりました。
別のCPをチナミくん視点で書こうとしたんです。
でも書いている内にチナミくんからも矢印が出て来ちゃったのでもうこれはチナミくんと総司さんでサンドにしようって事になりました。

そんな代物ですが……
潤様と雫様に捧げます。
駄文ですが貰ってやって下さいませ。
リンク本当にありがとうございました。
亀更新サイトですが、どうぞよろしくお願いします。